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軽油引取税の暫定税率廃止―物流業界が今すべき対応―

2026年4月1日、軽油引取税の暫定税率が廃止されました。これにより、これまで32.1円/Lだった税率は本則税率の15円/Lに引き下げられ、上乗せされていた17.1円分が撤廃されました。

軽油引取税は都道府県税であり、トラックやバスなどディーゼル車の燃料に課されるものです。長年「当分の間」とされてきた暫定上乗せ分がようやく解消されたことで、物流業界にとっては燃料コスト構造を見直す大きな節目となっています。

17.1円の削減は運送業界にとって大きい

燃料費は運送会社の経費の中でも特に大きな割合を占めており、価格の変動が収益に直結します。仮に月間20,000L使用する企業であれば、17.1円の削減で月約34万円、年間で約410万円規模のコスト差となります。

2024年問題による労働時間規制や人件費上昇など、多くの課題を抱えるこの業界にとって、この規模の負担軽減は決して小さくありません。燃料費が下がった分を収益改善や他のコスト対応に充てられる可能性があります。

ただし、単純に17.1円安くなるとは限らない

注意しておきたいのは、税率が下がったからといって、店頭の軽油価格が必ずしも17.1円下がるわけではないという点です。実際の販売価格は、国際原油価格、為替相場、燃料補助制度の動向、各販売会社の価格設定など、複数の要因によって決まります。

特に国際原油価格は、米国の政策動向や中東情勢、世界的な需要変動の影響を受けやすく、税率変更の効果が相殺されることもあります。税率廃止はあくまでコスト削減の「条件が整った」ことを意味するものであり、実際の効果は市場動向と合わせて継続的に確認していく必要があります。

荷主企業も含めた物流コスト全体の見直しを

燃料費は運送会社だけの問題ではありません。燃料コストの変化は、燃料サーチャージの見直しや運賃改定、荷主との価格交渉にも波及します。物流費の上昇が続く中、今回の税率廃止は、運送会社と荷主企業の双方が物流コストの構造を改めて見直す機会でもあります。

運送会社にとっては燃料費削減を収益改善に結びつけるチャンスであり、荷主企業にとってはサーチャージや運賃水準を適正化する議論のきっかけになり得ます。

今こそ燃料コスト管理を能動的に

今回の制度変更は各企業にとって、燃料コストの管理をより能動的に行うチャンスともとらえられます。まずは燃料コスト試算の見直しと年間収支シミュレーション、荷主との契約条件の確認から始めましょう。

さらに重要なのが、燃料の仕入れ先の見直しです。取引する燃料会社を固定したままにしている企業も多いですが、複数の燃料会社の価格を毎月比較し、1円でも安く仕入れる取り組みが収益に直結します。また、燃料費と並んで高速道路料金も見直しの対象として検討することで、経費削減の効果をさらに高めることができます。

まとめ

軽油引取税の暫定税率廃止は、物流業界にとってコスト構造を見直す絶好の機会です。税率変更により17.1円分の負担軽減という条件は整いましたが、実際の効果は市場動向次第でもあります。

大切なのは、この変化を受け身に捉えるのではなく、燃料仕入れ先の比較・見直し、荷主との契約条件の再確認、高速費を含めた経費全体の最適化など、能動的なコスト管理に取り組む姿勢です。不安定な経営環境が続く中、小さな積み重ねが経営の安定につながります。