高速道路各社において、高速道路のSA・PAの駐車スペース有料化の動きがでています。
有料化検討に至った事情
有料化検討の理由は、高速道路の駐車スペース不足です。
全国の大型車の高速道路利用台数は2005年から2020年で約15万台増加(17%増)しており、トラックの高速道路の利用台数増加により駐車スペースが十分に確保できない現状があります。
また2024年問題の一つ「4時間走行したら30分休憩を必ず取得する」という、いわゆる430休憩への対応も影響しているといわれています。
有料化検討の内容とは
詳細はまだ決まっていないようですが、一部SAでは試験的に大型車スペースの利用を1時間以内に限定しており、高速道路各社は来年度以降この対策を拡大していき、有料化の是非を検討するとしています。
■混雑する休憩施設では一定時間(例えば2時間)以上の駐車を有料化
ただし休息が必要な長距離利用者はに関しては長時間(例えば10時間まで)無料を検討。確実な休憩休息機会を確保するため短時間利用駐車マスを先行導入し、法的整理を行ったうえで有料マスを順次導入し、最終的には混雑する路線の休憩施設はすべて有料化の予定。
■予約駐車マス
通常のマスには駐車できない車両(ダブル連結トラックやキャリアカー等)が確実に駐車できるよう、特殊な車両を対象とした予約駐車マスとして整備。
将来的には「混雑しているSA・PAを一定時間以上のすべての利用を有料化」するとしていますが、具体的な導入時期や料金については示されていません。
社会実験の内容及び料金
NEXCO中日本は駐車場予約システム社会実験として、5カ所のSA・PAにおいて駐車マスの予約を実施しています。豊橋PAのみ時間により有料とし、状況を見ながら有料運用も検討するとしています。
- 豊橋PA(下り)予約駐車マス(時間により有料)
- 場所:E1 東名 豊橋PA(下り) 予約駐車マス(愛知県豊橋市)
- 台数:特大型/ダブル連結トラック専用駐車マス9台(事前予約制)、中型/大型トラック専用駐車マス10台(事前予約制)
- 浜松いなさIC路外駐車
- 場所:E69 新東名 引佐連絡路 浜松いなさIC料金所外(浜松市中央区)
- 台数:ダブル連結トラック専用駐車マス30台(事前予約制)
- 足柄SA(上り)予約駐車マス
- 場所:E1 東名 足柄SA(上り) 特大車駐車スペース(静岡県御殿場市)
- 台数:ダブル連結トラック専用駐車マス1台(事前予約制)
- 静岡SA(上下)予約駐車マス
- 場所:E1A 新東名 静岡SA(上下)特大車駐車スペース(静岡市葵区)
- 台数:ダブル連結トラック専用駐車マス上下それぞれ1台(事前予約制)
- 土山SA(上下)予約駐車マス
- 場所:E1A 新名神 土山SA(上下)特大車駐車スペース(滋賀県甲賀市)
- 台数:ダブル連結トラック専用駐車マス上下それぞれ1台(事前予約制)
NEXCO西日本は大型車ドライバーの「より確実な休憩機会の確保」を目的に、11箇所の休憩施設において大型車駐車マスの一部を60分以内の駐車とする「短時間限定駐車マス」として整備し運用する実証実験を始めています。
この実証実験は、長時間駐車車両の存在により駐車ができずにSA・PAを出ていく大型車が多い休憩施設に「短時間限定駐車マス」を整備することで、休憩機会の変化や周辺休憩施設を含めた混雑状況、効果的な整備位置などを検証するものです。
- NEXCO東日本管内
- E4東北道 蓮田SA(上り)、上河内SA(上り)、安達太良SA(下り)、国見SA(下り)
- NEXCO中日本管内
- E1東名 足柄SA(上り)
- NEXCO西日本管内
- E2山陽道 福山SA(下り)、吉備SA(上り)、龍野西にしSA(上下)、E3九州道 古賀SA(下り)、E2A中国道 美東SA(下り)